立ち座りするたびに痛む腰や膝…こんな慢性的な症状に苦しんでいませんか?いろんな薬や運動を試してみても改善の兆しがない場合は、靴に原因があるのかもしれません。
デザイン重視の細いつま先やヒールの高い靴はもちろん、自分の足にフィットしている、と思っている靴でも体の歪みをもたらしている可能性もあります。痛みを我慢していると体全体に影響がおよび、他の関節にまで痛みを引き起こし、歳を重ねるにつれて膝の軟骨がすり減ってしまうことも…。
今回は、体の歪みを直して腰痛や肩こりを改善させるインソール、ミッドソールについてご説明します。
目次
足を長く細く見せるヒール。でも見た目がよくなった代償は高くつきます。
ハイヒールは体のバランスを崩し、体のあちこちにひずみを発生させます。歩く時には膝は曲がり、上半身は前かがみ、背中は猫背…正直見た目もよくありません(失礼!)。体の悲鳴を無視して履き続けていると膝に水がたまる、正座ができない、痛くて歩けないなどの症状が引き起こされる変形性膝関節症の原因になるかもしれません*。
*参考文献:The Lancet【Knee osteoarthritis and high-heeled shoes
「私はハイヒール派じゃないから」と安心している方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ローヒールで履きやすいとされている靴でも、ほとんどはインソールもミッドソールもなし。歩けば歩くほど体に負荷はかかり続け、体の歪みは増すばかりなんです*。
*参考文献:ScienceDirect【Archives of Physical Medicine and Rehabilitation】
人間の体は足で均衡を保つように作られています。だから靴を履いた時に少しでも不快感があれば、長時間歩くと足が痛む…。それを知っているから、私たちはちゃんと試着してから靴を買いますよね。
試着したからには靴はフィットしているはず。
では、どうしてサイズを確かめ、試着し、店内を歩いてみて足にピッタリ!とチョイスした靴なのに、腰痛、膝痛などの不快な痛みが発生するのでしょうか。
それは、靴選びの時にソールをチェックしていないからなのかもしれません。
そこで、インソールとミッドソール、アウトソール についてちょっとだけご説明しますね。
ソールには、インソールとミッドソール、アウトソールがあります。
ソールの名称 | 存在する場所 | 働き |
---|---|---|
インソール | 直接足に触れる場所 | ・土踏まずのアーチ部分にフィットして足の悩みを改善 ・脚の特定部位を動かし、美脚にする働きも ・スポーツ時のサポートにも使用。 (上記画像では黒いソール) |
ミッドソール | アウトソールの上、インソールの下に存在 | ・靴本体の心臓部となるパーツ ・足が地面に当たった時の衝撃を軽減 ・履き心地を快適にし、膝痛を軽減するので見逃せない部分 ・健康的な歩行や運動には不可欠。 ・インソールの下、アウトソールの上にあるので通常は見えない |
アウトソール | 地面などに接する部分 | ・防水性、耐久性、すべりにくさが求められる (上記画像の黄色、黒、白などのソール) |
40才以上の日本女性有病率61.5%である変形性膝関節症*を予防して腰痛をなくすためには、履き心地を確かめる時にインソールやミッドソールにも気を配っていただきたいのです。
*参考文献:医薬ジャーナル【変形性関節症の疫学研究 ~大規模コホート研究ROADより~】
ここまで読まれて「今度からはインソールやミッドソールにも目を向けて靴選びしよう」と思われましたか?
アウトソールはすべての靴についています。でも残念なことに、インソールとミッドソールは考慮されていない靴がほとんど。特に、女性用の靴は見栄え第一なので、インソールや美観を損なってゴツく見える高性能ミッドソールは排除されているのです。
例えば、NIKEエアなどを思い浮かべてください。エアの部分がミッドソールなのですが…。
確かにこんな分厚いソールは女性のエレガントな靴には似合いそうにないですよね。こんなソールがくっついた靴では、出勤時やお出かけでも浮いてしまいそう…。
では、健康のためにインソールやミッドソールが装備されて、ビジネスシーンやプライベートまで使える女性らしい靴は諦めるしかないのでしょうか?
女性用の靴にはインソールがない、とは言っても、少数ですがインソール付き、高性能ミッドソール付きで、エレガントな靴も存在します。特に普段動かさない内転筋を使うことに特化した靴は美脚作りにも貢献します。さらに特殊ジェルがかかとをホールドし、腰や膝に負担をかけないのも嬉しい♪
内転筋は太ももの内側にある筋肉。毎日の活動や運動中でもほとんど利用されない部分です。脂肪がこの部分に多くたまると下半身太りの原因になるとも言われています。
ということは、太ももをスリムにしたいのなら、この内転筋を集中的に動かす事が太もも痩せのスピードアップに繋がるかも…。
脚の内側を鍛えて美脚になるには、内側傾斜のジェルインソールを使った「スリムコーチ エクササイズデザインスリッポン」がおすすめ。普段歩いているだけで美脚エクササイズになります。
おすすめポイントは、
・土踏まずにぴったりフィットするから、歩いている時の痛みや疲れが少ない
・ヒールカップで、歩行時に体重がかかるかかとを衝撃から保護
・O脚、下半身太り、外反母趾対策の足指グリップ
・ハニカム構造(蜂の巣型)で、クッション性や通気性アップ、疲労軽減も
・フィット感を高めるためのサイドゴム
・外から見えないインヒール高3.5cmで、こっそり足長に♪
女性用でミッドソール付きの靴も、数は少ないのですが実は存在します。
見た目は細身でも、前足部に柔らかいフラットクッションを採用しているので足指はのびのび!足裏の起伏にフィットした立体的な凹凸のあるフットベットは快適な歩行をサポートします。かかとにもクッション性があり、足底筋膜炎の予防にも◎
歩く事がヤミツキになるほど快適なフィットフロップ(Fitflop)。極上の履き心地と洗練されたデザインで世界中の女性を魅了しています。その理由は明快。歩く事がすごく好きになるんです♪
フイットフロップのおすすめポイントは、
・人間工学に基づいて開発されたクッション性
・足裏に快適フィット
・履いていると気分快適
・ヒールの高さ3cmで足長に!
・何と言っても「脚の健康に有益で価値がある」とAPMA(アメリカ足病学協会)承認の信頼性がある
欧米では、親は子どもが小さい頃から歩く姿勢を注意しています。そして美しい姿勢で歩くためには、痛みのない靴が必要と知っています。だから靴を買ったらインソールを入れる、あるいは高品質なミッドソール付きの靴を選ぶ、という人は少なくありません。
日本では靴を履いて歩くという歴史が欧米に比べてまだ浅いので、インソールとミッドソールにまで気を配る人はごく少数。
「足入れの良い健康革靴の靴型設計に係る設計ガイドライン作成に関する調査(矢野経済研究所)」によると、ほとんどの女性が色とデザインで靴を選んでいます。肝心の「履き心地を重視して選ぶ」はなんと5位*。
*参考資料:株式会社 矢野経済研究所【平成23年度皮革産業振興対策調査等(足入れの良い健康革靴の靴型設計に係る設計ガイドライン作成に関する調査
日本でも機能的なソールを使いデザイン性も高い靴が手に入るようになっています。中年以降に悪化すると言われる膝や腰を守るためにも、今後はぜひ靴を選ぶ時には「インソールとミッドソールをチェック!」も視野に入れてくださいね。